青い夢の女
友人と見に行きたいねと言っていたのに、行けなかった映画の1つ、それが「青い夢の女」だ。
そのころ、友人との間で「女」をテーマにした映画はちょっとしたブームだった。この映画を見ようと話していた直前に見た映画は、たしか「魚と寝る女」(韓国)だった。 ジャケットが、深い青の中にひとりのセクシーな女性が印象的に浮かびあがっている。そう、この「青い夢の女」のジャケットが「魚と寝る女」と似ていたのを覚えてる。 ■ストーリー 精神科医・ミッシェルが魅力的な女性患者・オルガの話を聞いているうちに居眠りをしてしまう。目覚めてみたら、ソファには彼女の死体が…。自分が殺したのか?悩みつつ、死体処理に奮闘するというサスペンス。 ■感想 予想以上によかった。 主人公のミッシェルが死体処理に奮闘するんだけど、主人公を取り巻く人々や患者、死体処理で遭遇してしまう人物がみな個性的で、おかしい。 主人公は死体を早く処理したいのに、空回りしている様がおかしい。 死体のオルガを生き返らせるために心臓マッサージしたり、人工呼吸したり必死になっている現場をカンボジア人家政婦に見られ、情事の真っ最中と勘違いされてしまったり、 自身も友人の精神科医にカウンセリングを受けるが居眠りされてしまったり、 死体を隠そうとする墓場にはダッチワイフ好きのDJにがいたり。 こうした個性豊かな登場人物が、物語をおもしろくしている。 また、死体になってしまったオルガが、いつまでもきれいで、まるでよくできたマネキンみたいに美しいのもいい。死体のオルガが凍った道路をゴロゴロ転がされてしまうシーンなんて、ちょっと笑える。 夢や空想シーンがたくさん出てくるのに加え、主人公がオルガの夫がいる家、自身のカウンセリングに訪れる診療所、警察、喫茶店、墓場、デパートなどさまざまな場所を訪れ、物語が展開されていくので、全く退屈しない。 フランス映画(正確には、フランス・ドイツ)なんだけど、ちゃんと最後は事件の真相が明らかになるし、主人公もハッピーエンドになるところもいい。 精神科医という仕事は、さまざまな人の人生を見ていく大変な仕事だ。 私なんか、実家の母親の愚痴を聞くのさえうんざりしてしまうのに。 そして、聞いた話は守秘義務として、全て自分の胸の内に納めておかなければならない。 私なんか、自分のことでさえ、吐き出せなかったら発狂しちゃうか、酒とタバコにおぼれてしまうのに。 でも、精神科医は決してえらいわけではない。 患者から全てを聞いたとしても、患者を支配できるわけでもない。 ただのひとりの人。 患者から聞く話、目の前の現実、夢、過去、いろんなものに翻弄されながら、自分をみつけていくミッシェル。青い夢の女は、ミッシェルの人生を掻き乱し、最後に大切なものを見つけさせてくれた女なのかな。 監督:ジャン=ジャック・ベネックス 2000年 フランス/ドイツ
by yasagure.yasako
| 2004-11-30 04:17
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